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刺青物語〜蓮の花のように〜



刺青物語〜蓮の花のように〜
は、以下をお読みください。

http://tuzurukotoba.jugem.jp/?eid=877



回を重ねるごとに、彼女が
時間より早く来てくれるようになった。

「あんまり早いと私、琥珀の散歩からまだ
 帰ってきてないかもしれませんので
 15分ぐらい前やったら、
 入ってきてもらっても大丈夫ですよ。」

琥珀は、11歳になる
チワワとポメラニアンのミックス犬で
息子が9歳の時
誕生日プレゼントとして
我が家にやってきた家族である。

「すんません!だんだん来るのが
 早くなってしもうて。
 痛いの嫌やけど、完成が待ち遠しくて
 ここへ来るのが楽しみになってきてね!
 朝になると、ワクワクするんです。」

Rさんの言葉が胸にしみた。

前回終わった後、
病院へ検診に行くと言っていたので
結果を聞いてみた。

「そうそう、それなんやけど
 血液検査の数値も
 ずいぶん安定してきて、お医者さんも
 ビックリしてた。」

そういって、
血液検査の結果を見せてくれた。

少しほっとした。

時々彼女は、作業の合間に鼻血を出した。
一度出ると、止まらない。

作業を中断し、落ち着くまで
時間をとった。
何度か、今日はここまでにしましょうか?と
たずねてはみたけれど
Rさんは、首を縦には振らなかった。

芯が強くて、とても真面目な女性だ。

完成させたい。
完成させたら、何か変われそうな気がする。

その想いで一杯だったんだろうと思う。

刺青を受けている際には、出血は殆んどなく
傷の治りも早い。
免疫力も弱っているだろうに
それが不思議だった。


人の意識とは時に
信じられない程の力を生む。

普段使っている顕在意識。
普段眠っている潜在意識。

この眠っている潜在意識を
呼び起こし使うことにより
人の可能性は確実に広がる。

そう何度も、本やメディアで目にした。
実際に、私は
自分の思考というものが
自分に与える影響というものを
実感している。

そして思考を超えた
潜在意識の重要性もまた然り。

「実は、両親に会いに行かんと
 あかんようになってもて・・・。」

今日はどことなく
気が重そうなRさんだった。

話によると
お母さんはご病気で
体がもう弱っているらしい。

お父さんが
鶏の世話や畑仕事のかたわら
お母さんの食事なども作っているそうだ。

気が重そうなのは
お母さんに会って、また自分が
傷つけられるのではないか?という不安と
傷つくのは嫌だという抵抗と
傷つきたくないという自己防衛が

彼女を沈ませているように思えた。

それでも
心の中に数パーセント宿っている
会ってみようと思う気持ちが
彼女を迷わせているのだろう。

「Rさん、私も母に会うと
 どっと疲れたりしますよ。
 今でこそ、仲良くやれてますけど
 私の母も気分屋さんで
 自分勝手です。
 そんなもんやと思っていたら
 ええんと違いますか。」

と、あまりにも気が重たそうなRさんを
励まそうと、笑い飛ばしてみた。

私の母は、自分の体のこと
父の事、祖父や祖母の事
生きることについて絶望した時期があった。

私がまだ小学生だった頃
母は、兄と私を連れて
無理心中をこころみた事がある。
それは、何もわからない私と違って
状況が把握できた2つ上の兄によって
阻止された。


生きてて良かったと思う。
生かされてきて良かったと思う。

たくさんの人に出会い
喜怒哀楽を経験し
夢を見ることだって出来る。

ここにこうして在るだけで
価値のある事なのだ。

人は誰しも、自分が足を
踏まれたことばかりを覚えているが
自分もまた、
誰かの足を踏みながら生きている。

憎しみからは何も生まれない。
彼女にそう伝えたかった。

つづく


 
| 心の言葉〜刺青編〜 | 18:27 | comments(0) | trackbacks(0) | |
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